2025/08/10

漢方の考え方では、免疫力を高めるためには、体のバランスを整え、自然治癒力を高めることが大切とされます。特定の漢方薬だけでなく、食事や生活習慣を見直すことも重要です
漢方で考える免疫力アップの基本
中医学(東洋医学)では、免疫力は体を守る「衛気(えき)」というエネルギーが担うと考えられています。衛気を高めるためには、次の3つのバランスが重要です。
- 気(き): 生命活動のエネルギー。
- 血(けつ): 栄養を運ぶ血液。
- 水(すい): 体内の水分。
これらのバランスが崩れると、免疫力が低下しやすいとされます。
免疫力アップに役立つ漢方薬の例
体質や症状に合わせて、様々な漢方薬が使われます。医師や薬剤師に相談して、自分に合ったものを選びましょう。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう): 疲労がたまりやすく、胃腸が弱い「気虚(ききょ)」タイプの人におすすめです。気を補い、免疫力を高める働きがあるとされます。
新型インフルエンザ流行時に、予防的に服用した病院職員の感染者が減ったという報告もあります。生命エネルギーである「気」を補い、免疫機能を活性化させます。

人参養栄湯(にんじんようえいとう): 食欲不振で疲れやすい人に適しています。低下した免疫機能を回復させる作用があるとされます。

葛根湯(かっこんとう): 風邪の引きはじめに効果的で、体を温め、免疫をサポートします。

免疫力アップのための食材と生活習慣
漢方の考え方では、日々の養生(ようじょう)も大切です。免疫力を高める食材
- 体を温めるもの: 生姜、ネギ、ニンニクなど。
- 気の巡りを良くするもの: シソ、ミカン、レモンなど。
- 胃腸を整えるもの: キノコ類、発酵食品(味噌、キムチなど)。
- 血を補うもの: クコの実、ナツメ、ほうれん草など。
おすすめの生活習慣
- 十分な睡眠をとる: 睡眠は免疫機能を維持するために不可欠です。
- 適度な運動をする: 太極拳やヨガなど、穏やかな運動は気の巡りを良くします。
- ストレスをためない: ストレスは免疫力を低下させるため、リラックスする時間を作りましょう。
体を冷やさない: 冷たい飲み物や食べ物を避け、温かいものを摂るように心がけます。